1.はじめに
2.今までに記録したトンボ
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(写真/越冬したホソミオツネントンボ) |
(1)ホソミオツネントンボ
関西及び太平洋側に分布する種で、同属のオツネントンボと住み分け、多雪地帯の新潟県では、長野県、群馬県、福島県との各県境で数箇所記録があるにすぎない。近年、パインバレーや入広瀬等で生息が確認され、新たな動きが見られる。
(2)ネアカヨシヤンマ
ヨシが繁茂する沖積の湖沼を主な生息地としていたが、昭和30年代を境に激減し、絶滅が心配されていた。20年程前、西山と刈羽の一部での生息が分かり、注目されていた種である。
(3)ヤブヤンマ 後述
(1)クロスジギンヤンマ
平成10年5月26日初飛込み♀ 以後 7月上旬まで♀のみ 平成11年6月 3日初飛込み♀ 6月 5日♂1 8日♂1 ♀は連日飛び込む 7月に体育館ギャラリーで落体確認♂3,♀3 (2)ヤブヤンマ
平成10年6月26日初飛込み♀ 以後 8月上旬まで ♀のみ 平成11年7月19日初飛込み♀ 7月22日♂初記録 ♀は池沼のコケむした緑や柔らかな土に産卵する。学校周辺で生息に適した環境を探したが、近くの用水池の外は確認できなかった。しかし、池の大きさからして、学校に飛び込んだ個体数が多すぎる。その上、用水池が道路拡張で埋め立てられてしまった。11年は7月に入ってもしばらくは飛込みがなかったので、池の埋め立てが原因かと思っていた矢先、19日以降連日の飛込みをみた。そして、22日には初めて♂1頭をゲット。
(写真/羽化直後のヤブヤンマ)
(3)ネアカヨシヤンマ
平成10年7月24日 ♀1
本種の生態からして遺存種とは考えられない。逆に侵入種かといえば、周辺どころか現存地域さえ限られる特殊な種であり、まったく過去のデータからの推定は不可能である。
同じ沖積を主な生息域としているアオヤンマの場合、過去に保倉川や飯田川を遡った例がある。これは、高田平野の周辺に、安定した生息地があるからで、現に一度は消えたお堀にも再び生息するようになっている。
(4)ムカシヤンマ
クロスジギンヤンマと時期を前後して飛び込んでくるが、6月上旬で消えている。これはクロスジギンヤンマに比べ、羽化期間が短いことによる。
他の大型のトンボに比べ、飛翔力が弱いので、学校周辺や小沢が生息地である。
(5)コシボソヤンマ
いずれの個体も体育館のギャラリーでの落体である
保倉川が生息地
(6)オニヤンマ
飛び込む個体数が最も多いだけでなく、飛び込んでくる時間帯(日中いつでも)、期間(7月上旬から10月上旬)とも最も長い。
(7)ハグロトンボ
沖積の河川が主な生息地であったが、農薬禍で激減、丘陵河川の一部に生息していた仲間によって、近年回復傾向を示している。大島村一帯は生息地の上流域に位 置している。(写真/ハグロトンボの交尾)
(1)飛び込むトンボの共通点-1(原本は○囲み数字)
ネアカヨシヤンマ、ヤブヤンマ、コシボソヤンマ、タカネトンボに共通する性質は、「たそがれ性」である。太陽高度が高く、明るい日中は、木陰や林内で過ごし、夕方になって捕食活動に入る。ヤブヤンマの場合5ルクス位 の明るさでも活動している。ネアカヨシヤンマはヨシ原の上空3〜5m位の高さを、コシボソヤンマは川の水面 から20〜50cm位の高さを、タカネトンボは水域を離れて、1m前後の高さを飛行している。この活動中に民家等の明かりに誘引されることがある。
(2)飛び込むトンボの共通点-2
ヤブヤンマ、クロスジギンヤンマ、タカネトンボの飛び込んできた個体はほとんど♀である。ネアカヨシヤンマも1個体であるが♀である。コヤマトンボも♀が8割と中、大型のトンボは♀の飛込みが多い。
(3)飛び込むトンボの共通点-3
日中体育館に飛び込んだ♀はフローリング上を低く飛行しながら、輝面に盛んに尾部を叩きつける仕草を見せる。
(4)職員室に飛び込むオニヤンマの特徴-1
窓から侵入した個体は、必ず蛍光灯の端に向かって突撃をし、ぶつかる。一度ならず何度も同じ仕草を繰り返す。
(5)職員室に飛び込むオニヤンマの特徴-2
飛び込む窓は必ず南側で、出ていくときは南北半々である。しかし、一度で出ることは少なく、窓ガラスに何度も頭部をぶっつける。
以上が観察で分かったことである。このことから幾つかの疑問が生まれる。次にその一例を示すが、できれば子供たちのもつ疑問と結付け、一緒に解決したいものである。
・なぜ♀の方が多く校舎に飛び込むのか。♂と♀で違ってくる原因はなにか。
・オニヤンマは校舎に入るとき窓ガラスに衝突しないのに、出るときに何度もぶつかるのはなぜか。
・オニヤンマが蛍光灯に突撃するのはなぜか。
・季節によって校舎に飛び込むトンボの種類の違い。
・オニヤンマが長い期間飛び続けることができる理由。
・校舎に飛び込む昆虫が多いのは大島小学校だけなのだろうか。